謙信公の銅像と越乃さん
(写真提供◎越乃さん 以下すべて)
100年を超える歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第79回は「上杉謙信公ゆかりの地を訪ねて-春日山城跡、春日山神社-」のお話です。
(写真提供◎越乃さん 以下すべて)

前回「「私も越後のリュウです!」最も親しみのある人物〈上杉謙信公〉を演じることになり、謙信公ゆかりの地・越後春日山林泉寺を訪ねて」はこちら

男役と再び向き合う時

宝塚を退団した時、もう男役はしないと決めていました。
男役は宝塚で終わりにするのだと。

退団して3年後、「エリザベートガラコンサート」のお話が来た時も、コスチュームと髭は断固として拒否しました。
あんなに大好きだった黒燕尾を着て踊ってほしいというお話がきても、男役が見たいと言われても、丁寧にお断りをしてきました。

退団して10年。
男役と再び向き合う時が来ようとは…。

故郷・新潟から、今年8月に行われる第99回謙信公祭に、上杉謙信公役で出演させていただくことになったのです。

上杉謙信のお話を頂いた時、何の迷いもためらいもなく「やりたい!」と思いました。
むしろ男役を楽しめる余裕すら生まれています。
人はつくづく自分勝手な生き物です。