会津藩、庄内藩を擁護する論調

とはいえ、おそらく長州藩や薩摩藩が幕府を倒さなくとも、日本は近代国家になっていたはずだ。

すでに幕府の有能な官僚や将軍徳川慶喜は、フランスなどの制度を参考に近代国家への移行を考えていたからだ。

けれど、「勝者が歴史をつくる」という慣用句どおり、戊辰戦争に勝った明治政府が正義とされ、とくにその中枢をになった薩長藩閥が戦前は力を握り続けていたから、幕府や佐幕藩、明治政府に逆らった東北諸藩は悪だとされた。

戦後もそうした薩長史観は大きく変わることがなかったが、近年、朝敵とされた会津藩や庄内藩を擁護する論調が強くなってきた。

でも、果たしてそうなのだろうか――。