上田正樹さんの写真
(撮影:本社・奥西義和)
『悲しい色やね』の大ヒットで知られる難波のレジェンド、上田正樹さん。
1974年 伝説のスーパーバンド"上田正樹とサウストゥサウス"を結成し、当時のバンドブームを牽引したR&B・ソウルシンガーであり、ソングライターだ。活動50周年を迎えた今年、9月27日に渋谷さくらホールにて一夜限りのスペシャルライブを開催する。7月で75歳になったが、歌う意欲は年々増すばかり。「今、やっとスタートラインについた」という上田さんのこれまでの歩みと、今回のライブへかける思いを聞いた。
(構成◎岡宗真由子 撮影◎本社・奥西義和)

絶対に音楽をやるんだという炎

18歳の時、イギリスのロックバンドThe Animalsのライブに行きました。

僕の友人が急遽来られなくなった自分の彼女の代わりにと、軽い気持ちで誘ってくれたライブです。

The Animalsはもともとブルースの影響を色こく受けたバンド。「朝日のあたる家」が有名なんですけど、僕は「Boom Boom」という曲にやられてしまった。アメリカのブルース・シンガー、ジョン・リー・フッカーの代表曲のカバーです。

身体の全細胞が震えているくらいの衝撃が走り、自分も絶対に音楽をやるんだという炎が胸に灯ってしまった。それが今日まで消えることがありません。