「新任教諭が年度内に退職」理由の4割が…

東京都で2022年度に正規採用した公立学校の新任教諭も、2429人中108人が年度内に退職。その4割がメンタルの不調による退職だったそうです。

また、全国の教職員約5万人を対象としたアンケート調査(厚生労働省平成30年発表「過労死等防止対策白書」)では、8割の教職員が業務に関するストレスや悩みを抱えており、最大の原因は「長時間勤務の多さ」という結果が得られています。

問題になっている教諭の長時間勤務(写真提供:Photo AC)

このときの調査に参加した教職員の平均勤務時間は、なんと「11時間17分」。12時間を超える教職員も2割を超えていたと報告されています。

長時間勤務のほかに、職場の人間関係、保護者・PTAなどへの対応、生徒を取り巻く環境、休日の少なさ、研究等の時間の確保などもストレス・悩みの要因として挙げられています。

教育者としての志を胸に抱き、超過勤務には何とか耐えたとしても、モンスターペアレントから理不尽な攻撃を受けたり、クラスの中でいじめ問題が発生したり、不登校の子が出たりすると、メンタルが限界を迎えてもおかしくありません。

もう気の毒としかいいようがない状況です。

※本稿は『「精神医療」崩壊 メンタルの不調が心療内科・精神科で良くならない理由』(青春出版社)の一部を再編集したものです。


「精神医療」崩壊 メンタルの不調が心療内科・精神科で良くならない理由』(著:和田秀樹/青春出版社)

増加の一途をたどる心を病む人びと、メンタルの不調から復職しても約半数が再休職する現実、5分診療・薬を出すだけ診療はなぜ起こるのか?

精神科医・心療内科医の数は増え、メンタルクリニックも増えているのに、メンタルを病む人がちっとも良くならないのはなぜなのか?

気鋭の精神科医がその深層に切り込んだ一冊。