「転ばない」が自慢だった義母

今は亡き義母は、「転ばない」が自慢でした。

ある日のこと、わたしが買い物から帰ってきたとき、わが家の物干し場で転ぶ義母の姿を、道路から目撃しました。

『こんにちは! ひとり暮らし』(著:みつはしちかこ/興陽館)

白いカッポウ着をつけた義母が、洗濯物を取り込んでいます。

あ、あ、という間にスローモーションで転んでいったのです。

物干し場の手すりにすがりながら上手に転んでいきました。

わたしは急いで家に入り、義母のもとへ飛んでいきました。