転んだ義母は、まさかの……

ところが、義母は洗濯物を胸に抱いて、すましてこちらへ歩いてくるではないですか。

そして、何事もなかったようにわたしとすれちがっていったのです。

(写真提供:Photo AC)

「おばあちゃん、さっき物干し場で転びませんでした?」

義母はふり返りもせず、「転びませんよ、わたしは」と言うではありませんか。

わたし、転ぶところを見たんですけど……。

義母にとって、あれは転んだことにならないのでしょうか。

または、転んだことを隠したかったのかもしれません。