「氷壁-迸る-」。世良さんが手掛ける「壁」シリーズのひとつ。土をへらでそぎ落としながら作る(写真提供◎古川美術館)

 

彼らの作品はそれぞれ、美濃、信楽、備前、九谷……と産地が異なり、個性豊か。集まれば面白いことができるんじゃないかと、僕がプロデュースして、2009年に陶芸家集団「AKATSUKI―暁坏」を結成しました。

この9月には15周年を記念して、名古屋で彼らとグループ展を行います。僕もいまはこの展覧会に向けて、集中して作陶しているところです。

音楽も陶芸も、ものをつくり、表現するという意味では同じ。僕はよく若い人とセッションするけれど、それぞれの感性でキャッチボールをするのは新鮮だし、刺激的なんです。

陶芸家としてプロデビューしたのは2022年。初めて土をこねてから12年後です。歌手デビューはアマチュアから数えて8年目でしたから、それより時間がかかりましたね。

陶芸の世界では、50、60代は若造と言われる。僕もまだ若造ですから、70、80代が楽しみです。ただ、続けていくには体力が必要だし、感性を磨いていかなくては。音楽の道と同じ、立ち止まってなどいられません。

陶芸家集団「AKATSUKI―暁坏」結成15周年記念陶展
2024年9月6日~29日
愛知県・古川美術館分館爲三郎記念館(TEL 052・763・1991)で開催

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