土に触れたいと思うと、昼夜問わず作陶を始める。その衝動は、ギターが弾きたくなる感覚と同じだと語る(撮影:ANDU)

若手陶芸家との交流が刺激に

陶芸のおかげで新たな交友関係も生まれました。ある日、ミュージシャン仲間のつるの剛士君が陶芸をやりたいと、事務所に来たんです。僕と横に並んで作っていたのですが、彼はカンがいいからすぐにコツをつかんで、ぐい呑みを作っていました。以来、つるの君は世良の「一番弟子」を名乗っています。(笑)

NHKの朝ドラ『カムカムエヴリバディ』で共演したスウェーデン出身の庭師・村雨辰剛君も日本文化に精通していて、話が合うんですよ。

つるの君と3人で不定期に行っているのが、「男のお茶会」。僕の事務所に集い、抹茶と和菓子で何時間も陶芸や日本文化の話題で盛り上がります。つい先日も「そろそろお茶会開いてください」と、つるの君から連絡が来ましたよ。

ほかにも、幸兵衛先生のご子息・加藤亮太郎さんをはじめ、全国の若手陶芸家たちと交流するようになりました。彼らは僕より20歳ぐらい年下なのですが、陶芸家としては大先輩。

最初は、彼らが口にする陶芸への想いや感情を示す言葉の意味がよくわからなかった。でも、彼らの作品を見て会話をするうちにだんだん理解できるようになり、それを僕自身の作品にも還元する――ということをずっと続けてきました。