「2時間半のステージでも体はフラつきません。ひょっとしたら30代のミュージシャンよりも、僕のほうが元気かもしれない(笑)」(撮影:岡本隆史)
日本のロック界に鮮烈な印象を与えたデビュー以来ミュージシャンとして活躍し続ける一方、俳優としても数々の映画、ドラマに出演してきた世良公則さん。2021年はNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』でジャズの名曲を熱唱し、大きな話題となりました。そんな世良さんにとって、これまでの日々、そして、これからは――。
(構成=福永妙子 撮影=岡本隆史)

<前編よりつづく

自らダシをとり自作の器で食事を

僕も67歳になり、肉体的にいろいろ変化はあります。ただ、若い頃と比べると、今のほうがずっと声が出ている。僕なりのケアの方法があって、アスリートが試合や練習の後にやっているアイシング――氷で筋肉を冷やすという方法を取り入れています。のども筋肉ですから。

ライブ後、20分ほどアイシングし、あとは、しっかり食べて栄養をとり、体を温める。そうすると寝ているあいだに筋肉が再生する。この方法を始めてから、ライブが続いても、のどを痛めることはなくなりました。30年以上、耳鼻咽喉科のクリニックとも無縁です。

体調管理というほどではないですが、食事面では、ほとんど外食はしません。事務所にいるときはもちろん、ライブがあるときも、関東圏なら事務所に戻ってきて、自分たちで食事を作る。そんな毎日だから、打ち合わせに来たミュージシャンも、「今日のメニューは何ですか?」と聞いて、食べていきますよ。

料理は和風ダシを利かせた、あっさりしたものが中心。今の季節だと鍋料理が多いかな。夕方5時になると、「ミーティング、進めといて」と言って、みんなが譜面の整理やライブの曲順を確認している間、僕は席を立ってダシをとり始める。(笑)

ギターを弾きながら何曲も歌うライブをこなすには、体幹を鍛えておくことも必要です。

自己流でやっているのは、「プランク」という体幹トレーニング。肘をつき、腰を浮かしたうつぶせ状態を基本形に、いろいろなバリエーションのエクササイズで体幹を鍛えます。

そのおかげか、2時間半のステージでも体はフラつきません。ひょっとしたら30代のミュージシャンよりも、僕のほうが元気かもしれない。(笑)