音楽から離れている時間には、11年前から始めた陶芸に没頭しています。22年は個展も開き、陶芸作家としてプロデビューもしました。事務所で使っている器は、ほとんど僕の作品。来客があると、まず僕が自作のお茶碗で抹茶を点て、和菓子と一緒にお出しします。

打ち合わせが終わり一緒に食事をとなると、これまた僕の作ったぐい呑みで日本酒を一杯、となるわけです。僕はお酒を飲みませんが。(笑)

陶芸家の大事な仕事は土を練ること。空気を抜き、堅さを均一にして土の状態を整えます。時間があればこれをやっていて、ときには4、5時間も。スタッフに「明日からライブですよ」と注意されることもたびたびです。

土のかたまりを見つめながら、一心不乱に練る。やがて何も考えず「無」になる。陶芸だけでなく、音楽も然り。ものを作るとき、余計なことを考えず無心になることの大切さ、そういうことに気づかせてくれるこの時間が僕は大好きなのです。