いろいろな場面で応用が可能な「逆行連鎖」

また、この、「後ろから教えていく」考え方は、行動分析学では逆行連鎖といいます(前から教えていくのは順行連鎖)。この考え方は、いろいろな場面で応用が可能です。

たとえば、不登校の子どもの支援場面では、再登校の際に、いきなり1時間目から登校しようとすると、3時間目あたりでエネルギーが切れて、「やっぱりダメだった」と失敗体験になってしまいます。

しかし、後ろの6時間目から再登校すれば、6時間目を頑張って帰りの会で帰宅、という形で成功体験として終えられます。

そこから、5時間目から登校、給食時間から登校、4時間目から……と徐々に逆行して登校時間を伸ばしていけば、成功体験を積みながらできますので、自己肯定感も高まりますし、メンタルへの負担を最小限に抑えられます。

このように、この方法はさまざまな場面で応用が可能です。

※本稿は『「できる」が増えて「自立心」がどんどんアップ! 発達障害&グレーゾーンの子への接し方・育て方』(大和出版)の一部を再編集したものです。


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