いろいろな場面で応用が可能な「逆行連鎖」

また、この、「後ろから教えていく」考え方は、行動分析学では逆行連鎖といいます(前から教えていくのは順行連鎖)。この考え方は、いろいろな場面で応用が可能です。

たとえば、不登校の子どもの支援場面では、再登校の際に、いきなり1時間目から登校しようとすると、3時間目あたりでエネルギーが切れて、「やっぱりダメだった」と失敗体験になってしまいます。

しかし、後ろの6時間目から再登校すれば、6時間目を頑張って帰りの会で帰宅、という形で成功体験として終えられます。

そこから、5時間目から登校、給食時間から登校、4時間目から……と徐々に逆行して登校時間を伸ばしていけば、成功体験を積みながらできますので、自己肯定感も高まりますし、メンタルへの負担を最小限に抑えられます。

このように、この方法はさまざまな場面で応用が可能です。

※本稿は『「できる」が増えて「自立心」がどんどんアップ! 発達障害&グレーゾーンの子への接し方・育て方』(大和出版)の一部を再編集したものです。

【関連記事】
「自分はダメ人間」と思ってきた特別支援教育専門家が発達障害の子どもと向き合って気づいたまさかの事実。「行動が自分とそっくりで…」
和田秀樹「うつ病・躁うつ病と診断された人は24年前より4倍近く増加!パワハラは減ったのになぜメンタルを病む人が増えているかというと…」
発達障害の息子の子育てに奔走してきた61歳・元特別支援学校教諭が「絶対に似合わない」ジーンズに挑戦。秘訣はジーンズ以外のアイテムを「きれいめ」にすることだった

「できる」が増えて「自立心」がどんどんアップ! 発達障害&グレーゾーンの子への接し方・育て方』(著:前田智行/大和出版)

「子育ての突破口が見えた」「家族に笑顔が増えた」「話す、聞く力が発達した」等、
親から支援者まで共感の声続々!専門知識と当事者知見に基づいた支援のスペシャリストが、良いサイクルに回り始めるヒントを全公開。
現場を知っている専門家&当事者ならではの、「今、本当にすべきこと」がわかる一冊!

「子育ての突破口が見えた」「家族に笑顔が増えた」「話す、聞く力が発達した」
共感・感謝の声続々。

これまでの日々の支援の中で得た、すぐに実践できるアイデアとヒントを多数紹介。