休み方を教えるのも大切(写真提供:Photo AC)

特別支援教育の専門家で、500名以上の子どもの支援に携わる前田智行氏は、「実は私自身幼いころから問題行動が目立つ子どもでした」と言います。当事者であり支援のプロフェッショナルだからこそわかる、「今本当にすべきこと」とは?「子育ての突破口が見えた!」と共感・感謝の声が多数の著書『「できる」が増えて「自立心」がどんどんアップ! 発達障害&グレーゾーンの子への接し方・育て方』から一部を抜粋して紹介します。

意外と教わらない休み方

多動な子どもは、そもそも「休む」という概念を持っていないことが多いようです。多動な子どもはオンオフでの切り替えが難しいため、休み時間でも、放課後でも、1人のときも常に何かしらに興味が移って活動してしまいます。

そのため、一般の人が「疲れた〜」と言って、何も考えずゴロゴロするような休み方を大人になっても知らないまま、という当事者の方もいます。

ただし、「寝る」という活動は、体も回復するので「休む」と認識しているケースは多いと思います。

そこで、子どもには「休み方」を教えるのが大切です。たとえば多動な子も、疲れてくると、「もう宿題やりたくない! 」と、自分をコントロールできなくなります。

そんなときは、「じゃあ、腕を顔の前でバッテンにして、そのバッテンをおでこにつけて、机に倒れてみて。そのまま、頭の中で100秒数えてください」と教えてみます。

すると、終了後「どうだった?」と聞くと、「ちょっと頭がスッキリした」と言ってくれます。そして、「じゃあ、宿題の続きできそう?」と聞くと、「できそう」と言って続きに取り組んでくれます。

このように、休み方を知らない子どもは意外と多くいます。