良い行動にも注目することで改善することも
ちなみに、日々の生活や思考を数字で置き換えて理解をすることは、ほかの場面でも有効です。
たとえば、ADHD/注意欠如・多動症の診断基準を確立した、コナーズ博士は、「ADHDは普通の子どもより、何倍も行動する。
だからこそ、良い行動と悪い行動の割合は、ほかの子どもと同じにもかかわらず、悪い行動が何倍にもなっているから、悪い子どもと間違えられてしまう。
しかし、良い行動も何倍もしているのだから、こちらに注目することで、彼らの行動が劇的に改善する」と紹介しています。
このように、数字を使って、発達障害の子どもの行動を理解したり、「1日3回叱ったら、1年間で1095回か……」のように、大人の行動を振り返ることも、発達障害の子どもとの関わりを見直す際はおすすめです。
ASDは、自身の興味関心へのこだわりが強い傾向があります。こんなときは、半分以上、できれば 割は本人のやりたい遊びに没頭させてあげましょう。
もちろん、大人もその世界に入って遊ぶことが大切であり、「好き」という気持ちを生かすことは、すべての場面で重要です。ただし、他者と折り合いをつける社会性も、自立には必要です。
だからこそ、残りの3割は、大人から遊びを提案して、社会性を伸ばす機会をつくってあげることが必要です。
後ほどその具体的な方法についてはご紹介していきますが、時間をかけて関わることで、子どもは社会性を次第に育めるようになります。
※本稿は『「できる」が増えて「自立心」がどんどんアップ! 発達障害&グレーゾーンの子への接し方・育て方』(大和出版)の一部を再編集したものです。
『「できる」が増えて「自立心」がどんどんアップ! 発達障害&グレーゾーンの子への接し方・育て方』(著:前田智行/大和出版)
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