スダチはいつ頃現れた?

スダチがいつ頃現れたのかはわからない。徳島では半分野生状態で広まった古い柑橘だ。名前のスダチは酢橘からきたらしい。

栽培化されたのは昭和30年代以降で、1979年(昭和54年)に始まった温州みかんからの転換事業で生産量が増えた。

『日本の果物はすごい-戦国から現代、世を動かした魅惑の味わい』(著:竹下大学/中央公論新社)

優良個体探索の結果、1975年には徳島市渋野町(しぶのちょう)で発見された種子の少ない個体が「徳島1号」と命名されて、県の奨励品種となっている。

また徳島県農林水産総合技術支援センターは、3月まで果皮が黄色くならずに濃緑色を保つ「勝浦(かつうら)1号」を育成。2024年(令和6年)に品種登録された。なお、徳島県の県花はスダチの花だ。

1961年に徳島大学により果皮から発見されたスダチチンは、スダチにしかない香気成分。ノビレチンに構造が似ており、最近になって抗肥満の健康機能性が期待できることがわかった。