SDGsにも貢献
競うように、愛媛県も柑橘残渣(ざんさ)を混ぜて育てたブリの生産を、2011年から始めた。ミカンジュースの搾りかすと伊予柑オイルを使った餌を組み合わせた「みかんブリ」と「みかん鯛(だい)」。伊予柑オイルを混ぜた餌を使ったギンザケ「宇和島サーモン」も登場している。
食品残渣などを活用して製造された飼料をエコフィードという。その目的は、食品リサイクルと飼料自給率向上の両方だ。
SDGs推進の一環としての食品リサイクルループを実践し、国産原料を用いて養殖魚や肉畜の肉質まで改善できるのであれば、これほどよい話はない。
※本稿は、『日本の果物はすごい-戦国から現代、世を動かした魅惑の味わい』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
『日本の果物はすごい-戦国から現代、世を動かした魅惑の味わい』(著:竹下大学/中央公論新社)
日本の歴史を語るのに果物は欠かせない。
徳川家康はなぜ関ヶ原の戦い直前に柿と桃に願をかけたのか。太平洋戦争中、軍需物資として密かに大量生産されたのはどんなブドウだったか。
日本社会・経済発展の知られざる裏側を「果物×歴史」で多種多様に読み解く、「もうひとつの日本史」。