SDGsにも貢献

競うように、愛媛県も柑橘残渣(ざんさ)を混ぜて育てたブリの生産を、2011年から始めた。ミカンジュースの搾りかすと伊予柑オイルを使った餌を組み合わせた「みかんブリ」と「みかん鯛(だい)」。伊予柑オイルを混ぜた餌を使ったギンザケ「宇和島サーモン」も登場している。

食品残渣などを活用して製造された飼料をエコフィードという。その目的は、食品リサイクルと飼料自給率向上の両方だ。

SDGs推進の一環としての食品リサイクルループを実践し、国産原料を用いて養殖魚や肉畜の肉質まで改善できるのであれば、これほどよい話はない。

 

※本稿は、『日本の果物はすごい-戦国から現代、世を動かした魅惑の味わい』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。

【関連記事】
ペリー来航の際、昼食で90品を超えるフルコースに登場した果物は…日本人にもっとも親しみのある果物の歴史を辿る
中国・四国地方はどうやってできたの?世界のプレートの動きを解説【2024年上半期BEST】
『光る君へ』怨霊に取り憑かれた人が呻き、化粧ボロボロの女房を見て紫式部は「言いようもなくワクワク」と。そして母・倫子は喜びのあまり…中宮彰子<出産のウラ側>

日本の果物はすごい-戦国から現代、世を動かした魅惑の味わい』(著:竹下大学/中央公論新社)

日本の歴史を語るのに果物は欠かせない。

徳川家康はなぜ関ヶ原の戦い直前に柿と桃に願をかけたのか。太平洋戦争中、軍需物資として密かに大量生産されたのはどんなブドウだったか。

日本社会・経済発展の知られざる裏側を「果物×歴史」で多種多様に読み解く、「もうひとつの日本史」。