コンパクトでも手入れの行き届いたキッチン

本格的に節約を意識しだしたのは、昨年2月、夫が急性心不全で倒れて仕事を辞めてから。私も65歳になり、夫婦2人、正真正銘の年金生活が始まったのです。収入が減ったにもかかわらず、夫の医療費はかつての何倍にも膨らんで。家計簿とにらめっこし、とりあえず食費から手をつけることにしました。

というのも、わが家は食費の占める割合が大きくて(笑)。夫婦2人で月10万円前後って、かなり多いですよね? ですから、買い物に行く回数を週1回に減らし、不要なものは買わないように。

家にある食材を今まで以上に意識して使いきるようにしたら、月5~6万円と約半分にまで減りました。工夫次第で何とかできるものですね。今では、独立した3人の子どもたちが家族を連れて帰ってきても、予算内に収まっています。

食費以外で節約しているのは、洋服代でしょうか。今はもっぱらスーパーの衣料品売り場やアウトレット、フリマアプリを愛用しています。手ごろな価格の中から、着心地がよくて「気持ちの上がる服」を探すのが、楽しいんです。通信費も、スマホの契約を大手キャリアから格安SIMに替えてグンと安くなりました。

一方、あまり減らせないのが交際費かもしれません。私は、「お金をかける交際」と「お金をかけない代わりに手間をかける交際」とに分けて考えるようにしています。

前者は、冠婚葬祭や孫の祝いごとなど、人生の節目に関わるお付き合い。それなりの金額を気持ちよく出したいので、私のわずかなへそくりから補うこともよしとしています。

後者は、親しい人たちとの日常的なお付き合い。手作りしたケーキに、小さな季節の花束を添えたら、有名パティシエのケーキにも勝るというのは言い過ぎかもしれませんが(笑)、温かな気持ちが伝わるのではないでしょうか。私は、相手の方の喜ぶ顔を思い浮かべながらキッチンに立つ時間も楽しんでいます。