ハーブティーのハーブも、庭で採れたものを使って

ケータリングの仕事で余裕はできたけれど

カフェを始めて数年後、娘が生まれたばかりの子どもを連れて戻って来ました。大学で経済を学び、卒業後は飲食関係の仕事をしていた娘が、カフェの売り上げを見て「何の儲けにもなってないじゃない」とビックリ。放っておけないと思ったのでしょうね。カフェを閉じて、一緒にケータリングサービスと、離れを開放して民泊を始めることにしたのです。

葉山という土地柄もあるのか、ロケ用のお弁当を100個予約いただいたり、マリーナのヨット大会にケータリングを頼まれたり。鎌倉の方にホームパーティ用のお料理を頼まれることも。この小さなキッチンでお弁当を100個、娘と詰める。やってみると、意外とできるものですね。

娘親子は2階で暮らし、私は1階で一人暮らしを満喫しています。家計も食事も別。仕事で得たお金は娘が管理してくれているので、私は気楽なものです。わずかな年金と、足りなくなったら娘にお給料をもらいます。

年金は前倒しで60歳から受給しているので、若干少ないですが、定期的に入ってくるお金はありがたい。とはいっても、ここでの暮らしはお金をあまり使いません。水道・光熱費と携帯電話代、税金くらいでしょうか。

食材はケータリング用の材料の残りがあるので、困ることはありません。工夫すれば、簡単だけど美味しい料理ができます。

息子家族も近くに住んでいますが、息子の妻はもともと都会っ子。当初は、デパートがない生活が寂しそうでした。

お客様が来るので急いでケーキを焼くと言えば、「え!? 買ってこないんですか?」と驚かれ、私が一人で庭の草むしりをしているのを見ると「業者さんに頼まないんですか?」と不思議がられ……。そんな彼女も今ではすっかり葉山暮らしが板につき、気に入っているようです。