お金に対する価値観
河井さんは、お金に対する価値観を次のようにも語っていた。
「仮に何百億円、何千億円持っていても、死んだら向こうの世界には1円も持っていけないじゃないですか。仲間や仕事に恵まれて、その延長でお金があって、死んでいくのがいいなと僕は思うんです。お金があるから続いている人間関係で満足するならそれでいいと思うんですけど、僕はそうじゃないんです。例えば、お金が急になくなったりしたときに、一緒に人もいなくなるような年の取り方はしたくないと思います。」(mi-mollet「売名と言われてもいい」貧困家庭で育ったアインシュタイン河井ゆずるが児童養護施設への寄付を続ける理由)
フリーランスは仕事を選べるというけれど、実際は違う。仕事を選べるのは、ある程度お金に余裕のあるフリーランスだけだ。生活していくために必要な最低限のお金を稼ぐためには、当然やりたくない仕事も引き受けなければならないし、信念を曲げないといけないことだってたくさんある。それによって、心が削られている感覚がある。お金の稼ぎ方も、使い方も、信念や理想を持って、それを貫けるようになる日はまだ遠いのかもしれない。
正直、今の私には誰かのためにお金を使うという未来はまだ想像できない。でも、河井さんは売れる前からいつかは寄付をしたいと思っていたのだそうで、頭が下がるし、お金の稼ぎ方や使い方の信念に筋が通っていて、かっこいい、と心から思う。私も困っている人のために寄付をしたいと思うことはある。果たして、お金に余裕ができたら、私は誰かのためにお金を使おうと思えるだろうか。今はまだ思い描けない未来を、少し想像してみたりする。