那須まちづくり広場の外観
那須まちづくり広場は那須町の旧朝日小学校の校舎を改修し利用している。外観は懐かしい校舎の雰囲気=栃木県那須町で(撮影◎筆者 以下同)
昨年は、モトザワ自身が、老後の家を買えるのか、体当たりの体験ルポを書きました。その連載がこのほど『老後の家がありません』(中央公論新社)として発売されました!(パチパチ) 57歳(もう58歳になっちゃいましたが)、フリーランス、夫なし、子なし、低収入、という悪条件でも、マンションが買えるのか? ローンはつきそうだ――という話でしたが、では、ほかの同世代の女性たちはどうしているのでしょう。「老後の住まい問題」について、1人ずつ聞き取って、ご紹介していきます。

前回「シングル女性が抱える、老後の家問題とは?58歳会社員「シングルは損!ひとり手当が欲しい!」中間層シングル向けの国の施策がないという事実」はこちら

人生100年時代の共生型コミュニティー

ずっと働いて、自分で自分を食べさせてきたシングル女性たち。なのに、老後に住む家に困るなんて! そんな現実に抗い、ないなら作っちゃえ!と、独身の70代女性たちが、自分たちのような「働く女性が住み続けられる終の住処」と、それを含む「町」を北関東で作りました。

廃校を利用した「町」には、自立して暮らす人用の「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」のほか、支援や介護の必要な人用の住居、「看取り」までしてくれる訪問介護サービスまで。

さらに、カフェや店舗、ホールや図書室、オフィスもあり、さながら複合施設です。文化イベントも多く、外からも人を集める「場」になっています。 「100人が住んで80人が働いている」そうです。

高齢者だけに閉じた、姥捨て山的な「ムラ」ではなく、老若男女、多種多様な人たちがともに暮らし、働き、訪れ、交流する「人生100年時代の共生型コミュニティー」を目指しているそうです。

********************