常にお金の不安に支配されている

私はここ数年は、以前のように少しの出費で生活が破綻する、というほどの極限状態は脱した。

それでも、やっぱり奨学金の返済もあるし、いまだに経済的にはギリギリの生活で、あらゆる支払いを滞りなく済ませることで手一杯だ。身体が弱いので医療費の負担もかなり大きい。月末、支払いの金額を確認。今月働いた分が振り込まれても、すぐに家賃に消え、年金や健康保険料に消え、奨学金の支払いに消え……。

フリーランスなので、働かなければその分給料は減る。絶対に体調を崩せないし、精神的に滅入るときがあっても、働き続けなければならない(様々な事情があり、会社員になることが今は難しい)。

いつか預金残高が底を尽きて、支払いができないときがきたらどうしよう。そんな不安がいつも付き纏う。

『死ねない理由』(著:ヒオカ/中央公論新社)

そんな綱渡りのような生活だからか、極貧状態の時身に付いた貧乏根性がまだ抜けない。一つの商品を買うにも、最低4つくらいの通販サイトを横断して徹底的に価格比較するし、ドラッグストアやスーパーを何件も回る。服はセールになるまで絶対に買わないし、フリマサイトで中古で買うことも多い。何が何でも定価でものを買うものか!と思っている。

外食するのははばかられるし、映画のチケット代も高く感じて全然行けていない。お金持ちになりたい願望もお金への執着も弱い方だけど、人並み以上に稼げるようになりたいとは思わなくとも、お金の不安から解放されたいとは強く思う。常にお金に追われ、お金の不安に支配されている感覚が抜けない。