お笑いの舞台では、どんなに若手であっても細かいところまで考えていると思います。

こういうことを言ったら自分のボケに繋がりそう。

あの人と共演するならこのくらいふざけても拾ってもらえそう。

うまく拾ってもらえたらもう一回ボケてみるか。

頭の中でそんなことばっかり考えています。本番前には上手にできるか不安になって気持ち悪くなってしまう人もいるくらい。

だけど、私がまだ吉本に入る前、クラスでモノマネをしていただけの頃はそんな不安はまったくなかった。こうやって返せば笑いになったわ、と本気で落ち込むことは、仕事にするまで想像もしなかった。

私自身、お笑い芸人の真似から始まって今に繋がっているので、真似するなとは言いません。でも、言葉や振る舞いは誰かを傷つけてしまうことがあって、それもすべて自己責任だというのは忘れないでほしいです。

 

『悲しみは笑い飛ばせ!島田珠代の幸福論』(島田珠代:著/KADOKAWA)