大石静さんが脚本を手掛け、『源氏物語』の作者・紫式部(演:吉高由里子さん)の生涯を描くNHK大河ドラマ『光る君へ』(総合、日曜午後8時ほか)。ドラマが人気を博す中、平安時代の暮らしや社会について、あらためて関心が集まっています。一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生がドラマをもとに深く解説するのが本連載。今回は「階級別<娘の立場>」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!
父・為時が越後守になったけれども…
『光る君へ』中、屈指の癒しキャラでもあった、高杉真宙さん演じるまひろの弟・藤原惟規 (ふじわらののぶのり)。
越後守に任じられた父・為時にお供した先で激しい腹痛をうったえ、残念ながらそのまま亡くなってしまいました。
娘の賢子に肩を抱かれながら泣きじゃくるまひろの姿。史実であるから仕方ないとはいえ、一視聴者として、見ていて辛いものがありました。
辛いことがありながらも、父・為時は晴れて越後守になった、ということで、今回はあらためてまひろのように、官職のある家の娘の立場について考えてみたいと思います。