厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、18歳以上に推奨されている1日のたんぱく質の摂取量は、男性65g、女性50gだそう。しかし、内視鏡専門医の平島徹朗先生と秋山祖久先生いわく「実は日本人の8割がたんぱく質不足。その諸悪の根源は、不要なものが腸から漏れ出して吸収されてしまう<腸漏れ>」だそうで――。そこで今回は、お二人の著書『たんぱく質と腸の新常識: 絶対に漏らしてはいけない 新しい腸活とたんぱく質の正しい摂り方』から一部引用、再編集してお届けします。
できるだけ摂らないほうがいいたんぱく質とは?
実は、たんぱく質の中にはできるだけ摂らないほうがいいものがあります。それが小麦粉に含まれる小麦グルテンです。
小麦グルテンは、小麦粉に含まれるグルテニンとグリアジンという2種類のたんぱく質が絡みあってできる網目状の成分のことです。
パンやうどんなどを作る際、小麦粉に水を加えてこねると手にベッタリと張りつき、なかなか取れなかったという経験がある人もいるのではないでしょうか。
この粘りと弾力を生み出しているのが小麦グルテン。パンをふっくらさせたり、麺がもっちりしたりするのは、小麦グルテンのおかげです。
しかし、小麦グルテンの粘りと弾力がかなりの曲者。グルテンの「glue(グルー)」は、ラテン語・英語で「のり」という意味です。
一度にたくさんの小麦グルテンを摂取すると、胃で消化しても粘りが残り続け、その名のとおり、のりのように腸内にベタベタと張りつきます。
それが腸内に長く留まり、腸内環境を悪くして腸漏れ(不要なものが腸から漏れ出して吸収され、そのぶん摂ったはずの栄養素が正しく吸収されていない状態)の原因となるのです。