2DAYS:もう笑うしかない
8月30日。この日は2人とも別行動をした。これは普段の旅行でもよくやっていて、お互いにひとりで過ごす時間があると、ホッとする。四六時中、べったりでは落ち着いて屁もできない。たとえ旅行でも、1人の時間を作る。これは、ぜひ試してほしい。
この日、私は仕事をこなす。ちいちゃんは宿泊延長に備えて買い出しに出かけて行った。ちなみに彼女は結婚していた当時、東京に住んでいたので、都会に放り出しても1人で行動ができる。
「18時までに仕事を終えるから、夕飯をどうするか決めよう」
合宿(旅行)中、結局のところ、議題に上がってくるのは食べること。これは相手の食の好みを聞いて、慎重に考えてほうがいい。なぜなら、おばさんは想像以上に食も酒も細くなっている。あれもこれもと欲張ると、二日酔いや胃もたれなど具合が悪いまま、翌日を過ごすことになるのだ。
この日は2人で居酒屋に出かけた。久々に会ったせいか、酒も会話も弾んで、私はいつも通り酔っ払ってしまった。が、その横で「また高速バス、キャンセルされた……」と落胆した表情を見せるちいちゃん。台風の進行速度が遅く、東海道線沿いは全線不通。三泊目が確約された瞬間だった。私は「また? 止まったの?」と笑う。不安そうにしている友人がいるのだから、もう笑うしかないのだ。
異性ではなく、同性がずっと家にいると、こんな感じなのか……と独り暮らしの長いおばさんは、しみじみしていた。