「俺はさ、ナオキは《演歌歌手》じゃなくて、《歌謡曲を歌う歌手》だと思ってるの。」(吉さん)/「僕もいつかは先生のように、お客さんの心を惹きつけて離さない歌手になりたいです。」(真田さん)

バトンを受け取りつないでいきたい

真田 その「俺ら東京さ行ぐだ」が大ヒットした2年後に、「雪國」を歌われて。

 千さんには「そんな正統派の演歌を歌っても売れない」と言われていたんだよ。ところが大ヒットした途端、「俺は最初から売れると思ってた!」だって(笑)。でも嬉しかったね。2人でオイオイ泣いたもん。親父も、青森に家を建ててやったら「お前ならできると思ってたよ」って大喜び。昔「二度と家の敷居をまたぐな!」って湯のみを投げつけた人間とは思えない変わりようでさ。まあ何はともあれ、「雪國」で千さんと一緒に『紅白歌合戦』にも出られたし、いい親孝行ができたよ。

真田 素敵なお話ですよね。僕もいつかは紅白に出て、親孝行したいです。

 そうだな。親と俺に晴れ姿を見せてくれよ。

真田 頑張ります! そして今回は、先生のプロデュースでオリジナルアルバム『真田ナオキの世界』をリリースさせていただくことになり、本当に胸がいっぱいです。レコーディング中も勉強になることばかりで、僕自身、たくさんの課題に気づけました。

 まだまだな部分も多いけど、思わず泣けた曲も2、3はあった。心に沁みたよ。

真田 ありがとうございます。全曲先生に書いていただいたうえに、「こんな曲はどうだ?」と、これまで歌ったことがないジャンルの歌にも挑戦させていただいて。ラブソングや壮大なスケールの歌など、バリエーションに富んだ内容だったので新鮮でした。