70歳近いオヤジのくせに、ラップをYouTubeで
吉 三味線が入るド演歌の曲があったりね。俺はさ、ナオキは《演歌歌手》じゃなくて、《歌謡曲を歌う歌手》だと思ってるの。演歌って「あなたを殺して私も死ぬ」みたいなドロドロした歌詞が多いけど、ナオキはそういう雰囲気じゃないから。普段は演歌を聴かない人にも聴いてもらえたら嬉しいよね。
真田 はい。しっかりバトンを受け取って、つないでいきたいと思っています!
吉 ナオキには早く自分のバンド、つまりファミリーを連れてツアーを回れるような、一人前の歌手になってもらいたい。そしたら俺からは卒業だよ! あと1〜2曲は書いてやるけど、その後はほかの作詞家、作曲家の先生が書いた歌を歌ってほしい。
真田 精進します!
吉 歌謡曲を歌っていくなら、いろいろな音楽を聴いて勉強することが大事。俺なんか70歳近いオヤジのくせに、最近じゃあラップ(「TSUGARU」)を歌ってるからね(笑)。YouTubeで配信したんだよ。一銭にもならないけど、皆が注目してくれたらいいなと思ってね。
真田 すごく格好いいです。いつも思うんですが、先生は本物のエンターテイナーですよね。ステージに立てば歌が素晴らしいのはもちろん、トークもお上手で笑いが絶えない。その一方で、シリアスな話をして感動させたり。僕もいつかは先生のように、お客さんの心を惹きつけて離さない歌手になりたいです。そのためには、もっともっと勉強しないと。
吉 ナオキは日本の歌謡曲以外もよく聴いているよな。
真田 カナダのシンガー・ソングライターのマイケル・ブーブレが大好きで、いつも車の中でかけています。
吉 いいね。俺も外国の音楽が大好きだから、アメリカからアフリカ、スペインまで、ジャンルを問わず何でも聴く。クラシックも聴くし。コロナ禍になる少し前、1年間海外を回っていろいろな歌を聴いたよ。再来年にニューヨークで50周年ライブをやる予定だからカーネギーホールへも寄ってきたけど、果たしてどうなるか。でも、まずはナオキのアルバムだな。大変な時期だからこそ、皆さんに歌で元気になってもらえたら。
真田 たくさんの人に聴いていただきたい。ファンの皆さんには再会できるその日まで待っていてほしいです。
吉 その意気やよし。また飯を食いに連れて行ってやるからな!