義母の片付け

以前、ある大物俳優が、生前整理をしようと決意した。

長年、芸能界のトップを走り続けてきた人の自宅だから、例えば500万円もかけて購入した骨董家具もあったという。

『身辺整理 ─ 死ぬまでにやること』(著:森永卓郎/興陽館)

それらの貴重品も含めて、業者にまとめて処分を依頼したそうなのだが、結局、儲かるどころか、最終的に80万円の費用を徴収されたそうだ。

私は、芸能人だから足元をみられたのではないかと疑っていたのだが、そうではないことが分かった。

それは、たまたま研究室の片付けと同時期に発生した義母の片付けをみたからだ。

義母が住んでいたのは2DKだったが、モノを捨てられない性格なので、家中に使わない生活用品がぎっしり積みあがっていた。

整理業者のスタッフ4人がまず取り掛かったのは、モノの分別だった。

いまは環境規制が厳しいので、ゴミ出しと同様、きちんと分別をしなければならない。

この作業が想像を絶する大変さで、結局、朝から夜まで連続で作業して、丸二日の時間を要した。人件費だけで大変なコストだ。