買取査定の現実
義母の荷物は最終的に、2トン車5台分にも及んだ。そして整理業者は、それを産業廃棄物処理業者に持ち込む。
そこでも処分費用を請求される。結局、義母の場合は、総額数十万円のコストがかかった。
「こんなに荷物の多い人はいませんよね」という私の問いかけに、整理業者は「いや結構たくさんいらっしゃいますよ」と答えた。
「売れるものもあるだろう」と思われるかもしれない。
しかし、売れるものなど、ほとんどないのが現実だ。
例えば、義母はたくさんの着物を所有していたが、買い取り業者に持ち込んだところ、査定額がつかなかった。
値段がつくのは、大島紬の名品といった貴重品だけだ。普通の家にそんなものはない。
義母の持ち物で、唯一買い取ってもらえたのは、金のアクセサリーだけで、それも純金ではなかったので、何千円かの価値しかなかった。