方向性を決めておくことが大切

それでも、やはり心配だからがん検診を受けておこうと言う人もいるでしょう。

その場合、検査を受ける前に、がんが発見されたときにどうするかを考えておくことが大切です。

もし、つらい治療はしたくないと思うなら、がん検診でわざわざがんを見つける必要もないと思います。

病院のベッドに寝たきりになってでも、がんと闘うのか。それとも、残りの人生、がんと共存しながら日常を楽しんですごす方法を探していくのか。

これは、個人の価値観で大きく分かれますが、いずれの場合もある程度の方向性を決めておくことが大切です。

年を重ねれば重ねるほど、がんが見つかる確率は高くなるので、いざ見つかった場合、どうするかを考えておかないと、あれよあれよと医者のおすすめコースの治療が始まってしまいます。

※本稿は、『医者にヨボヨボにされない47の心得 医療に賢くかかり、死ぬまで元気に生きる方法』(講談社)の一部を再編集したものです。


医者にヨボヨボにされない47の心得 医療に賢くかかり、死ぬまで元気に生きる方法』(著:和田秀樹/講談社)

ヨボヨボにならないためのひとつの大きなポイントは、医者との賢いつきあい方にあります。

30年以上にわたる高齢者医療の経験とさまざまなデータから、著者ならではの「心得」を47にまとめました。