85歳をすぎるとほぼ全員に何らかのがんがある
がんは、細胞分裂のコピーミスによって起こってくる病気です。
日本人の2人に1人ががんになると言われていますが、85歳をすぎればだれもが体内にひとつかふたつのがんをもっているものです。
私が勤務していた浴風会病院で年間100例もの解剖結果を見ると、85歳以上のほぼ全例でがんが見つかっているのに死因ががんの人は3分の1で、残りの3分の2の人は別の原因で亡くなっていました。
がんがあっても知らずに、別の原因で亡くなることのほうが多いのです。
高齢者の場合、がんの進行がゆるやかになるため、放っておいても大丈夫なケースは意外と多くあります。
がんを抱えながら、QOLを損なわずに暮らしている人もめずらしくありません。