目の敵にされてきた「コレステロール」
肉をすすめるもうひとつの理由は、ほかの食品よりもコレステロールを多く含んでいるからです。この国では長年、コレステロールが目の敵(かたき)にされてきました。
コレステロールを諸悪の根源とするかのようなネガティブ・キャンペーンの影響で、日本人の頭には「コレステロールを減らすこと=健康」という誤った常識が刷りこまれています。
たしかに中年期までは、コレステロールが多すぎると動脈硬化を引き起こすリスクがありますが、高齢になってからはコレステロール値が高い人ほど健康です。
99歳まで現役の作家だった瀬戸内寂聴さんや、105歳まで現役医師だった日野原重明さんは、最晩年まで「ステーキ」をよく食べていたと聞きます。ただ、それはなかなか真似のできないことかもしれません。
そこで私は、今よりも一日当たり「プラス50g」の肉を食べることをおすすめします。
うどん店に行ったときには、釜揚げうどんやざるうどんではなく、肉うどんを注文すれば、並盛りで25〜27gのタンパク質をとることができます。
ラーメン店では、タンメンよりも、チャーシュー麺、スーパーでサラダを選ぶときは野菜だけのサラダではなく、チキン入りのサラダを選ぶ。こうして少し意識すれば、プラス50gの肉を食べるという目標も達成しやすくなります。
※本稿は、『医者にヨボヨボにされない47の心得 医療に賢くかかり、死ぬまで元気に生きる方法』(講談社)の一部を再編集したものです。
『医者にヨボヨボにされない47の心得 医療に賢くかかり、死ぬまで元気に生きる方法』(著:和田秀樹/講談社)
ヨボヨボにならないためのひとつの大きなポイントは、医者との賢いつきあい方にあります。
30年以上にわたる高齢者医療の経験とさまざまなデータから、著者ならではの「心得」を47にまとめました。