総務省統計局が令和6年9月に公開した「統計からみた我が国の高齢者」によると、65歳以上の人口が総人口に占める割合は、29.3%と過去最高だったそう。高齢化が進むなか、精神科医の和田秀樹先生は「今の高齢者をとりまく医療は<本当は必要がないのに、やりすぎている>可能性がある」と指摘しています。そこで今回は、和田先生の新刊『医者にヨボヨボにされない47の心得 医療に賢くかかり、死ぬまで元気に生きる方法』から、和田先生流・医療とのつきあい方を一部ご紹介します。
治療のメリット・デメリットを相談する医者を見極める
開業医のクリニックを訪ねると、待合室の目立つところに「**学会専門医」とか「**学会認定医」などという証書がうやうやしく飾ってあるのをよく目にします。
この医者は「専門医」の証書が患者に対する権威づけになると満足しているかもしれませんが、患者にとってこの証書は要注意のサインと考えてください。
というのも、日本は基本的に臓器別の専門分化医療なので、自分の専門分野である臓器の病気の治療には長けていて、その分野での専門的な医療を受ける場合はいいのですが、それ以外の病気の治療はおざなりにされがちです。
病気ごとに複数の専門医にかかっても、全体を診てくれる医者がいないので、どこかに不具合が生じ、それが原因でヨボヨボにされてしまう可能性があります。
たとえば、循環器内科医が薬でコレステロール値を下げて、仮に動脈硬化の進行を防げたとしても、コレステロールが減ってしまうことで免疫細胞が十分につくられなくなる可能性があります。
体がだるいと思っていたら、肺炎にかかっていたというのは、おそらく免疫力が低下したせいだと考えられます。