(写真提供:Photo AC)
総務省統計局が令和6年9月に公開した「統計からみた我が国の高齢者」によると、65歳以上の人口が総人口に占める割合は、29.3%と過去最高だったそう。高齢化が進むなか、精神科医の和田秀樹先生は「今の高齢者をとりまく医療は<本当は必要がないのに、やりすぎている>可能性がある」と指摘しています。そこで今回は、和田先生の新刊『医者にヨボヨボにされない47の心得 医療に賢くかかり、死ぬまで元気に生きる方法』から、和田先生流・医療とのつきあい方を一部ご紹介します。

健康志向の偏食はやめて、何でも食べるがよし

「脂っこいものや甘いものは控えましょう」など、食べてはいけないものを強調する食事指導にならされてきた人にとって、「何でも食べていいですよ」と言われるのは戸惑いが大きいようです。

もともと肉好きという70代男性も、トンカツや焼き肉が大好物ですが、家族に「健康によくない」と言われ控えてきました。

タンパク質をとることの大切さが世の中に広がってからは、大手を振ってトンカツや焼き肉を食べに行きますが、それでもトンカツの衣や脂身はできるだけ残していると言います。

私が「揚げ衣も肉の脂身も好きなら残さなくていいです、何でも食べましょう」と言っても、「本当ですか?」となかなか信じてもらえません。

図をご覧ください。

<『医者にヨボヨボにされない47の心得 医療に賢くかかり、死ぬまで元気に生きる方法』より>

「健康に悪い」とされてきた脂肪の摂取量が一日40g程度と少ない人が、最も死亡率が高かったのです。この図を見るかぎり、死亡率を低くするには脂肪をとったほうがいいと言えそうです。