窪田正孝(36)が主演を務める定時制高校を舞台にしたNHKの連続ドラマ『ドラマ10 宙わたる教室』(火曜午後10時)が話題だ。放送コラムニストの高堀冬彦氏が解説する。
人生の機微を感じさせる作品
夕方から授業が始まる定時制高校を舞台にしたNHKの連続ドラマ『ドラマ10 宙わたる教室』(火曜午後10時)の評判がすこぶる良い。ファンの熱の高さは10月に始まった秋ドラマの中でナンバーワンに違いない。
視聴者の年齢まで分かる個人視聴率を見てみると、学園ドラマでありながら、ファン層の中心は大人たちだ。人生の機微を感じさせる作品だからだろう。「教育とは何か」「人間の真価はどう決まるのか」と静かに問い掛けてくる。
主人公は窪田正孝(36)が演じる理科教師・藤竹叶。東京の都立東新宿高校の定時制で2年生を担当している。教師になる前は将来を嘱望された地球惑星科学者だった。著名大の助教だったが、退職し、JAXA(宇宙航空研究開発機構)からの誘いも断った。
なぜ、定時制の教師になるのか。藤竹はJAXAに勤務するエリート研究者・相澤努(中村蒼)に対し、「やりたい実験があるので」と言うだけで、それ以上は語らなかった。相澤は理解に苦しんだ。