さまざまな背景を持つ4人の生徒
生徒で物語の中心人物となるのは4人。まず子供のころから読み書きが大の苦手で、それが基でグレた21歳の青年・柳田岳人(小林虎之介)。次に母親がフィリンピン人で不法滞在だったため、子供時代に学校へ通えなかった40代の越川アンジェラ(ガウ)。
もちろん10代の生徒もいる。起立時にめまいなどが起こる起立性調節障害であるため、保健室登校を続けている名取佳純(伊東蒼)。最年長は生家が貧しかったことから中学を出てすぐ集団就職した70代の元町工場経営者・長嶺省造(イッセー尾形)である。
藤竹の勧めによって4人は科学部のメンバーとなり、火星のクレーターの再現実験を始める。独創的な実験だった。ドラマ特有のご都合主義と思われる人がいるかも知れないが、この作品は実話がモチーフ。原作は東京大学大学院博士課程で地球惑星科学を学んだ作家・伊与原新氏(52)による同名小説である。