大石静さんが脚本を手掛け、『源氏物語』の作者・紫式部(演:吉高由里子さん)の生涯を描くNHK大河ドラマ『光る君へ』(総合、日曜午後8時ほか)。ドラマの放映をきっかけとして、平安時代にあらためて注目が集まっています。そこで今回は『女たちの平安後期』を著書に持つ日本史学者の榎村寛之さんに、紫式部とも関係の深い能登への想いを記していただきました。
最終回が近づく『光る君へ』
12月の最終回を前に、さらなる盛り上がりをみせているドラマ『光る君へ』。あわせてこの連載『謎の平安前期』も最終版に入ってまいりました。
ちなみに本連載はもともと、23年12月に刊行した中公新書『謎の平安前期』に連動するものとして始まったものでした。
それが好評を博したこともあり、今年10月には「平安200年シリーズ」の後半となる、『女たちの平安後期』も刊行することができました。そしてその『女たちの平安後期』の初版印税は、能登半島の被災地に微力ながら寄付させていただきました。
すると、水害後間もなくのご多忙な中にもかかわらず、担当様から心のこもった感謝のメールを頂戴しました。メールの最後には「能登のことを心のどこかに忘れないでいただければ」と記されており、著者の心に熱く沁みた覚えがあります。
そんな自分にできることは、能登の文化の大切さについて歴史的に語ることだと思い、今回、連載1回分をいただいた次第です。