定期預金や保険を解約すればお金はあるはず、ところが……

困ったケアマネジャーは、Yさん夫妻に確認しました。「長女さんが、病院にいくお金も追加の介護サービスのお金もないっていっているんだけど、実際はどうかしら?」と聞くと、夫は

「いや、1年前に俺の預金200万円を解約して長女に渡したから、お金はあるはずだよ。」と答えました。そして「お金のことは、長女に任せてるから。」とも言ったのです。

この時ケアマネジャーは、両親にはお金があるにも拘らず通院させない、介護サービスを利用させない長女の行為は、高齢者虐待の一つである「金銭的虐待」に該当するかもしれないと感じました。

これはチームで話し合いにあたった方がいいと考えたケアマネジャーは、地域包括支援センターへ連絡。Yさん夫婦と長女次女を交え話し合いの場を持つことにしました。

ところが、話し合いに出席予定だった長女は直前で「用事がある」と言って欠席。仕方なく、当日はキーパーソンの長女抜きで話し合いが始まりました。