時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは福井県の60代の方からのお便り。NHKの大河ドラマを観て、書道とかな文字の教室に通い始めたそうで――。
かな文字に魅せられて
「書心画也(書は心画なり)」。書いた文字を見れば、その人の性格や心情などがわかるそう。逆にいえば、字を書くことは心を画くこと。文字のバランス、形、筆圧などに、個性や性格が表れるのだといいます。
現在放送中のNHK大河ドラマ『光る君へ』で、題字を書かれた書道家・根本知(さとし)さん。彼の文字の美しさに惚れ、私も書道とかな文字の教室に通い始めました。2つ合わせて週に3回。大変ですが、自分の成長を実感できる充実した日々です。
『光る君へ』の紫式部役・吉高由里子さんは、根本先生の指導を受けられたそう。なんと彼女は左利きなので、右手で書くよう直すのに大変ご苦労されたとか。福井県越前市で開催中の、「光る君へ 越前 大河ドラマ館」に足を運び、吉高さんが書かれたかな文字の展示を拝見しました。あまりの美しさに、時間を忘れるくらい見入ってしまったものです。
私の字はといえば、その日の気分でかなり変化してしまいます。どれ一つとして同じ文字はないくらい。気分屋の性格が、書にも表れると実感しています。
大河ドラマの放送も残すところあとわずかとなりました。ドラマが終わっても教室にはまじめに通って、自分が心から美しいと思える文字を書けるようになりたいです。