自分はこうだと決めつけず
なぜこの話をしたかというと、先ほどの髪型の話に共通するんですけれど、人間は、「私たちはこういう人間だろうな」とか、「こういったものが似合うんだろうな」「こういう場所が似合っているんだろうな」「こんな考え方が私らしいんだろうな」なんてふうに、長く生きれば生きるほど、当たり前のように決めつけてしまっていませんかと。
誰に言われたわけでもないのに、自分で「自分はこういった人間なんだ」、「自分はこういった髪型が似合うんだ」「自分はこういった服装が似合うんだ」「自分にはこういった仕事が似合うんだ」「自分にはこういった友達と一緒にいることが似合うんだ」「自分はこういった人間関係をするのがいいんだ」なんていうふうに、自分で決めてしまっているところはないでしょうか。
長く生きたらそれだけ、これまでの経験の中で、自分にとっていいと思うものがわかるからこそ、余計に自分はこうなんだ、と決めつけてしまう傾向が強くなると思います。
けれども、それは他人から見ると、実はもっといろんな見方があって。それを言ってもらうことで、自分の幅が広がることになるんですよね。
それが例えば髪の毛なら、自分は長い方が似合うと思っていたのに、「短いのもいけるんじゃない?」と言われて実際に切ってみたら、それもよかったと気付いたり。自分はこういった性格なんだ、と思っていたものが、人から見ると、案外全然違うふうに見えていたり。
そんなふうに、私たちは自分たちで決めつけることによって、自分の可能性とか、自分の選択肢の幅を狭めていることが多いのではないかな、と思います。