『暮しの手帖』編集長という肩書き

僕の場合、これまでやってきた仕事の中では、9年続けた『暮しの手帖』編集長という肩書きを知ってくださる方が多いようです。

辞めてだいぶ年数が経った今でも「メディアや雑誌をつくってくれませんか」というリクエストをいただけるのは、素直にありがたいことだなと思います。思いながらも、そうしたオファーはあたらしい試み以外丁重にお断りしています。

『50歳からはこんなふうに』(著:松浦弥太郎/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

はじめて出会った人への自己紹介や、人前でお話しする場面で、自分から「元『暮しの手帖』編集長です」と名乗ることもありません。

なぜなら、僕はできるだけ「過去の自分」に頼りたくないからです。