人づきあいは「貯蓄」と「自立心」!?
IKKO 当時、私も生きづらさを感じていたんです。幼少時代は、人がなんと言おうと自分は女の子なんだと思ってました。でも、成長とともに声変わりしたり、体形ががっしりしてきたり……。男であることが受け入れられなくて、泣きながらお父さんのカミソリで脚の毛を剃ってました。
湯川 つらかったでしょう。
IKKO 小学校時代、「おかまが食べたものだ、気持ち悪い」とクラスメイトたちにののしられたのもショックでした。そこから人とかかわるのが怖くて、殻に閉じこもるようになってしまったんです。
湯川 偏見を持つというのは、人間の愚かさですよね。私と同世代の女性は「女のくせに」なんて言われて認めてもらえなかったのだけれど、あれは嫉妬。男性の嫉妬って陰湿でが悪いのよね。
IKKO 男女差別にどう対処しておられたのですか?
湯川 同じ立場の優秀な女同士が結束してましたね。周囲に聡明で芯の強い女性がたくさんいたというのがラッキーでした。
IKKO 持つべきものは友、ですね。
湯川 そう、友達は心の貯蓄。古くからの友達は、今も私の心の支えになってくれています。人づきあいでも何でも、私たち世代は減らすより増やすことが大切だと思うのよ。できれば若い世代から先輩まで取り揃えて(笑)。《友達貯金》は増えれば増えるほど人生が豊かになるから。