「どんだけ〜」はコミュニケーション術

IKKO 10代の頃、テレビで歌の審査員をしておられる先生を拝見しながら、自分の考えがしっかりとあってすごいなと思ってました。

湯川 20代の頃の私は、生意気が服を着て歩いているという感じでした。(笑)

IKKO 今は少女のようなのに。こんなこと言っては失礼にあたるかもしれませんが、すごく可愛らしい方なのだなって。

湯川 誰だって年を重ねれば、人間関係のしがらみや世間体から解放されて、天真爛漫になれるのではないかしら? 体力も低下するし、自分が人からどう思われているかなんて構っていられなくなるんですよ。

IKKO アハハ。

湯川 開き直ったら怖いものはなーんにもなくなって、楽になりましたね。ピュアな自分を取り戻せるの。これこそが年を重ねるメリットだと思うのです。

IKKO 素敵なお話ですね。

湯川 それにしても、心を閉ざしていたIKKOさんがどうやって運命を切り拓いていらしたのか、とても気になるわ。

IKKO 今にして思えば、自分のやりたいことを見つけた10代後半に転機を迎えたのだと思います。親にどんなに望まれても、背広を着たサラリーマンになる自分は想像できなくて。とにかく私は美しいものが好きで、その感性を生かしたいと思いました。

母が美容室を経営していたこともあって、人を綺麗にして喜ばれる仕事っていいなと。それで高校卒業後は美容学校に入ったんです。ああ、やっと居場所をみつけたと思ったのを覚えています。

湯川 自分の気持ちに素直に従った結果、偏見から逃れることができたのですね。