現代では、いずみが「あの夜」を回想して泣く。「端島にはまだあの夜の私がいる」と。

池ヶ谷家の墓を掃除する澤田(酒向芳)といずみ(宮本信子)。虎次郎のことを聞く澤田に、いずみは「和馬(尾身としのり)からみみっちいところを抜いた人」と笑う。娘である鹿乃子(美保純)は、「お父さんが可哀想」と鉄平をよく思っていない。朝子と逃げた理由を「女と逃げただけでしょ」と一刀両断。

一方、古賀(滝藤賢一)の家を訪ねる玲央たち。古賀は父・賢将(清水尋也)の遺品から日記から見つけたと言う。「自分が死んだら、池ヶ谷朝子さんに渡してほしい」というメモを見て、いずみに渡したのだった。百合子(土屋太鳳)もかなり前に亡くなっていたこともわかる。だが、なぜか鉄平の居所はわからない。朝子が葬儀にも出席していたことを知り、つながりはあったはずなのに、と不思議に思う玲央たち。

父・賢将と母・百合子のことを語る古賀

古賀は「父は、時間の流れにかけたんだと思います。日記が、朝子さんの手に渡るか。それも神の思し召し」と静かに語った。