娘たちのお弁当も、張り切って作っていましたよ。ただ、ちょっと感覚がずれているというか(笑)。長女のカンナはお茶漬けが好きなので、魔法瓶にお茶漬け用のお茶を入れて、ご飯に鮭をのせて、お茶漬けにして食べろとか――。学校で浮いていたみたいです。(笑)
とにかく娘が大好きで、比較的家で仕事をすることも多くなっていた僕に娘を取られたくないという気持ちもあったのでしょう。娘たちに対しては、本当に一生懸命でしたね。
今の時代では許されないでしょうけれど、娘たちが高校生の頃から、娘の友だちも連れて飲みに行ったり。そんな豪快な面もありました。
亡くなる2年前に大腿骨を骨折してからは、ますます僕を頼るようになっていって。お互い高齢になったので、どちらが先に死ぬか、といった話題もよく出ましたが、「私は何もできないから、あなたが先に逝っちゃうと困る。1日でもいいから後で死んでね」とよく言っていました。
それでいて、「あの世に行って一人でポチポチ歩いていっても、どっちに向かっていけばいいのか、どこで何を聞けばいいのかもさっぱりわからないから、どうなっているのか調べてきて」なんてことも言う。調べてきてと言われても、困るんだけどねぇ。(笑)
だから「誰か見つけて『困ってるんです』と言ったら、きっと一緒に行ってくれるよ。僕もすぐ行くから、心配ないよ」などと、なだめていました。
そんなこともあったので、お別れの会の時も、思わず「メイコさんがこれから天国に無事に着けるか心配だ」とお別れのメッセージを述べたわけです。