ドクダミのカリウム量
私が現在の一般社団法人日本食品安全協会を立ち上げて活動を開始して間もなく、会員の方から問い合わせがあった。
「高齢の女性で特に腎機能が悪いわけでもないのに、血中のカリウム量が6.3mEq/L(基準値3.5〜5.0mEq/L)でした。投薬されている薬自体にもそのような作用はなく、しいてあげるなら毎日ドクダミ茶を飲んでいたそうです。ドクダミ茶にそのような可能性はあるでしょうか」という内容である。
私はこう返信させていただいた。
「結論を申し上げますと、ご推察のとおりドクダミ茶によって、高カリウム血症が発症する可能性は十分にあります。ドクダミの乾燥重量1kg当たりのカリウム量は54.3gと報告されています。同じ乾燥ドクダミにおけるナトリウムが212mgと報告されていることから、この量は極めて高濃度であることがおわかりだと思います。そして、ドクダミの血圧低下や利尿効果の一つの要因としてカリウムが考えられております。しかし、ご存じのようにカリウム値は高くなると突然心停止の可能性がありますので、直ちにその方にお茶の飲用をおやめいただくよう指示されることが重要です」