(写真提供:Photo AC)
「健診で指摘された異常値を健康食品で下げよう」「ダイエット食品で楽に痩せよう」など、健康食品を生活に取り入れる人が幅広い世代で増加しています。しかし2024年3月、サプリメントを摂取した消費者に健康被害が多数発生し、大きな問題となりました。そのようななか「実は、機能性や安全性について何の保証もない健康食品が多く販売され、健康被害の大半はこれらの製品で発生している」と指摘するのは、一般社団法人日本食品安全協会代表理事の長村洋一さんです。そこで今回は、長村さんの著書『健康食品で死んではいけない』より一部引用、再編集してお届けします。

ホルモンバランスを無茶苦茶にするダイエット食品

われわれの喉にある甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは、食べたデンプンや脂肪をエネルギーに変える細胞の働きを活性化する役割を担っている。

そのため甲状腺ホルモンが過剰になると、デンプンや脂肪がどんどん分解されていく。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病、橋本病)という病気になると、いくら食べても太らなくなるのはそのためである。

この話だけ聞くと、肥満の方にはうらやましい現象と考えられるかもしれないが大きな間違いである。