甲状腺ホルモン混入による健康被害

【事例1】個人輸入した中国のダイエット食品で発症

平成12年9月から12月にかけて、複数の医療機関から30〜60代の女性6名が個人輸入した健康食品と称する無承認医薬品(商品名:せん之素こう嚢、発売元:広東恵州市恵宝医薬保健品有限公司)の服用後、頻脈、動悸、暑がり感、手指のふるえ等の甲状腺機能亢進症が疑われる健康被害に関する情報提供があった。

(写真提供:Photo AC)

国立医薬品食品衛生研究所における分析の結果、甲状腺末が含まれていることが判明した。

【事例2】輸入原料で製造した製品で甲状腺機能亢進症の症状に

平成13年6月19日、兵庫県より情報提供。

ダイエット食品と称する無承認医薬品(商品名:ドリームシェイプ、販売元:健美漢方株式会社)の服用後、動悸、手のふるえ、倦怠感の甲状腺機能亢進症が疑われる健康被害について、複数の医療機関から4例情報提供があり、当該品を同県衛生研究所で検査したところ、甲状腺末成分のチロキシン(甲状腺ホルモン成分)が含まれていることが判明した。

甲状腺ホルモンによって乱されたホルモンバランスは、修復にかなりの時間を要し体調不良状態が長く続いてしまうことになる。健康被害に遭われた方々には同情を禁じ得ない。

※本稿は、『健康食品で死んではいけない』(講談社)の一部を再編集したものです。


健康食品で死んではいけない』(著:長村洋一/講談社)

健康食品の危険性と、賢く取り入れるための方法を、一般社団法人日本食品安全協会代表理事が解説。

自分や家族のセルフケアの基本として、身近な健康食品の常識をアップデートするのに欠かせない1冊。