サングラスを外して見つめる越乃リュウさんの写真
(写真提供◎越乃さん 以下すべて)
100年を超える歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第89回は「『ジーザス・ディアマンテ~夢の王の夢~』」のお話です。
(写真提供◎越乃さん 以下すべて)

前回「『光る君へ』ロスの私。6年前に光源氏を演じた舞台、その実現までの道のりを思い出す」はこちら

衝撃を受けたショー

急に見たくなった宝塚のショーの動画。
仕事の待ち時間の控室、携帯で動画を探しまくりました。

あった!

そのショーは1990年星組で上演された『ジーザス・ディアマンテ~夢の王の夢~』。
宝塚をほとんど知らずに入った私が、音楽学校時代に映像で見て衝撃を受けたショーです。

トップスターは日向薫さん。
トップ娘役は毬藻えりさん。
2番手は紫苑ゆうさん。
3番手は麻路さきさん。

それはそれはゴージャスで、立ってるだけで華やかで、歩くだけでキラキラしていて、えも言われぬ4人の存在感。
それぞれの個性が確立していて、それでいてバラバラにはならない統一感と空気感。
誰を見てもため息が出るゴージャスな方々。

そして、度肝を抜かれるプロローグの衣装!
この豪華で不思議な衣装を誰がここまで着こなせるでしょうか?
現役時代の私もとてもとても着こなせる自信はありません。
このショーは、ゴージャスで華やかなどという言葉ではかたづけられないほどのスケールで、私を別次元に連れて行きました。

『ジーザス・ディアマンテ~夢の王の夢~』プロローグの派手な衣装
プロローグのド派手な衣装

宝塚ってなんかすごい…
非日常感に溢れた宝塚という世界。
もうすでに音楽学校に入っていましたが、私の宝塚との正式な遭遇はこの『ジーザス・ディアマンテ~夢の王の夢~』でした。
強烈なファーストインプレッションでした。

あまりにも好きすぎて、音楽学校時代に散々真似をして歌い踊っていました。
同期最後の現役生、星組組長の美稀千種さんと。
今でもプロローグは全部歌って踊れる自信はあります。