【家の修繕費】割引に踊らされず、少しずつ計画を実行

年金暮らしの家計を直撃するのが、突発的に発生する家の修繕費です。ローンを払い終えて住居費の負担が軽くなる頃、築年数が経った家のあちこちが傷んできます。

老後資金にある程度の余裕があると、キッチンをリフォームするついでにトイレもバスルームも、とまとめて工事を依頼するお宅が少なくありません。業者も「併せて行うと値引き率が上がりますよ」と勧めたりします。

しかし、まとめて頼んだほうが本当に有利かは素人には判断が難しく、かえって割高になるケースも。

そこで私は、1ヵ所ずつ修繕することを推奨しています。初めは規模が小さい場所だけ依頼し、その業者が信用できれば、ほかの場所も頼むのが安心。価格や質も業者によって異なりますから、小さな修繕であっても、複数の業者で見積もりをとって、周囲に評判をリサーチしたうえで選択を。

そのためにも、時間に余裕を持って検討しましょう。修繕費用は金額が大きいので、失敗しないよう計画的に準備しておくことが大切です。

また、修繕にお金をかけるのではなく、元気なうちに家を売り、高齢者向け住宅や施設に住み替える方法も。たとえば「ケアハウス」ならば、住居費と食費を入れても月々10万円以下で探せますし、要介護度が重度になっても住み続けられる混合型もあります。選択肢の一つとして考えておくとよいでしょう。

3へつづく

《高齢期の5大支出》
保険料家の修繕費家電の買い替え費娯楽・交際費子・孫への援助費用