鉄分不足、血行不良も悪影響を及ぼす

鉄分不足も問題だそう。

「細胞は酸素が供給されることで熱を生み出しています。鉄分不足になると、酸素を運んでいる血液中のヘモグロビンが欠乏するため、細胞に十分に酸素を届けることができなくなるのです」

熱は血液にのって体をめぐるため、血行不良も悪影響を及ぼします。

「座りっぱなしなど、長時間同じ姿勢を取り続けたり、運動不足やストレスが重なったりすると、血行不良に陥ります。また、衣類による締め付けや便秘でお腹まわりの血管が圧迫されることも血流が滞る一因に」

冷え自体は病気ではないものの、「万病のもと」ともいわれ、放置すると血流がさらに悪化し、頭痛や腰痛、肩こり、肌荒れ、むくみなどさまざまな不調を引き起こす恐れがある、と林先生は注意を促します。

「血行不良が慢性化すると、次第に血管の弾力が失われ、動脈硬化症の要因になるのです。動脈硬化症は脳出血や脳梗塞、心筋梗塞の原因となり、命をおびやかしかねません。重大な病気に発展する前に改善に取り組みましょう」

新・心とからだの養生学(イラスト:小林マキ) 
イラスト:小林マキ